新卒タイ就職者に聞く「今だからこそ言えること」

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  • 2023年8月3日

海外インターンは就職に有利になる。
どうも、そんな安直な考えでタイに来た森山です。

僕の就活は来年なのですが、先輩たちの苦労話を聞いて内心焦っております(汗)。

僕にとって、春は「出会い」「別れ」っていうイメージだったのですが、いつからか就活によって、将来への「不安」が立ち往生する季節になってしまった気がします。

就職のイメージを養うためにタイでインターンをしていていますが、やっぱり「就職」と「インターン」は違いますね。今の仕事をずぅーっとやるってなるとイメージしずらいです。まぁ別物なので当たり前なのですが(笑)

どうしたらいいかなぁ~と考えていた時、ちょうど上司から「経験者に話聞いてみたらいいんじゃないかな」と知り合いを紹介してもらったので、今回は実際に新卒でタイに就職したゆうきさんにお話を聞いてきました!

新卒で海外就職したワケを教えてください!




「日本の出版業界に絞って就活していましたが、右肩下がりの現状に将来性を感じられませんでした。時代の影響もありますが、長続きしない使い捨てコンテンツばかりで一瞬の爆発を狙っている風潮があります。それに業界内の体制が時代に乗り遅れてるというのもあり、今後の伸びしろは感じられなかったです。」

やはり先輩たちも不安だったそう。。しっかりと考えた上で海外就職に踏み切ったんですね。

「いや、実は彼女がハーフタイ人で、家族がタイに移るっていうから一緒に来ただけですね(笑)それがなければ日本で就職してたかもしれないですし、タイミングが良かったです。」

なんと!タイを選んだ理由に深い意図はなかったのでしょうか。

「実は、タイを選んだ理由は経済面にもあって、給与がタイの生活基準と比べて高いことです。労働許可証を取る基準として月50,000バーツ(約15万円)が必要で、中途採用で来ても5万バーツが多いので、新卒で来たほうが今後を考えるとお得だと思います。」

日本と比べると5万バーツ(約15万円)は少なく感じますが、実際のところどうですか?

5万バーツはタイだと50万円くらいの価値があると思います。家賃に光熱費、食費や消耗品などの出費を考えても、2万バーツ程度レジャーや交際費に当てることが出来ますし、僕は貯金もしながら遊んでいます。新卒タイ人の初任給の相場が15,000~18,000バーツらしく、それと比べると同じ新卒でも金銭的なゆとりがあります。しかも、タイはレジャーが充実しているので、他の東南アジアみたいな“自然と生きる”ではなく、“都会で生きる”ことができるのがポイントです。東京の生活水準そんなに変わらず暮らせるのもタイの魅力の一つだと思います。」

タイ就職でよかったこと・悪かったこと教えてください!


任せられる仕事の幅が広いというのは良いと思います。法律で決められていますが、外国人の採用枠はタイ人数名につき1人です。だから、営業や顧客の対応など現場での仕事が多く、タイ人の管理とかも任されるため、役職問わずマネージメント経験が積める環境があります。日本人が少ない分仕事が多いですが、日本では何年もかかってやれることを数ヶ月でやらしてもらえるのは嬉しいですね。

経験を積むにはもってこいというわけですね。

「ただ、悪い点で言えば、日本人は忙しくて新人を育成する時間がないことです。日本のような研修制度があるわけでもなく、即戦力として現場に投げ出されるイメージですね。僕の就職先がローカル企業だからっていうのもあるけれど、日本人の新卒を受け入れる体制はあんまり整っていないかもしれません。」

新卒ならではの苦労もあるんですね。今後タイ就職を目指している人になにか助言をいただけますか?

「自ら教えてくださいって言えば教えてくれるので、待つのではなくて自分から仕事を取りにいく姿勢が大事だと思いました。その様なハングリー精神がない人は合わないかもしれないですね。あと、自分もタイに来て気づいたけど、仕事がたくさんあるからこそ、一つずつこなすことが重要だと思います。全部を一斉にやろうとすると物理的にも精神的にも追いつかなくなりますね(笑)。」

タイ就職のキーポイントを教えてください!

「僕の経験上、新卒だから、若いから、といって受けが良いってわけではなかったです。というより経験が無いから選考落ちする場合が多いのではないでしょうか。それでも僕が面接が入ったのは英語が出来たから。経験がある人は経験を売りに出来ますが、僕ら新卒や未経験者のは語学力とやる気をアピールして勝負するしかないと思います。」

タイも競争率が上がってきていますよね。日本人だったら誰でも仕事がある時代ではないということですね。

「タイで働いていて思うのは、タイ語が喋れると市場価値がものすごく上がることですね。当然ローカルの言葉を喋れると仕事の幅が広がりますし、なんたって需要があるから給与も高くなりやすいです。将来的にどんどんシビアになっていくと思うので、若い人たちは特にこの数年がチャンスではないでしょうか。」

たしかに他国の求人とか見てても、現地語が必須になっているケースが多いですね。

「ただ誤解をしてほしくないのが、たしかにローカル語は重要ですが、多くのビジネスが海外に進出し始めているので、用途の広い英語をまずは習得することがいいと思います。特に若いうちは国に絞らず可能性を広げるという意味でも英語ではないでしょうか。」

僕みたいに海外就職を目指している人が何をしたらいいか教えてください!

「さっきも言ったような語学(英語)習得ですね。若い人はそれに尽きると思います。あと、はじめは現地の知り合いに話を聞いてみるのがいいと思います。もしいなければ、僕のようにキャリアコンサルタントに話を聞くべきです。現地就職についてピンポイントなアドバイスをもらえるし、面接の日程調整もやってくれるので初めての海外就職でも苦労しなかったです。仕事のことだけじゃなく現地のタイムリーな事情や、ぶっちぇけトークとかしてくれるのでネットの情報よりもためになりますし、どうしたらいいかわからなかったらとりあえず話をしてみるのをお勧めしますね。」

いろんなお話を聞かせてもらいましたが、すごくためになりました!というか考えるきっかけになりました。これから何をしていけばいいのか、何が必要なのか、これを機に将来への「不安」を「挑戦」に変えていけたらいいなぁと思います。

インタビューを通して感じたこと

インターンで経験できる仕事は正社員の方たちと変わりませんし、「業務」として捉えたときに意外にも距離感が近い印象を受けました。でも実際に働いているゆうきさんの意見を聞いて、インターンとの違いも感じました。一言で表すと「社会人」。一番大きな違いは、「仕事で食べていく」意識だと思います。インターンにはその危機感が足りないというか、緊張感が薄いです。そういった意識の違いが「大人になる」ということなのかもしれません。

最後に、インタビューに協力してくれたゆうきさん、貴重なお時間ありがとうございました!

ではまたっ!